シャーリィ・レイの一人語り

小説など、投稿しています。つまらないものですが、どうぞ。

マリーゴールド

君のことを愛してた。…否。今も愛してる。けれど僕は、君を捨てた。僕はなんて無慈悲で、なんて冷酷なのだろう。僕はとても自分勝手だ。

今でも、君は僕を好きだと言ってくる。僕も口には出さないが、君が好きだ。君を忘れる為に、性の快楽に溺れる日々。終わった後はとても虚しくなる。どうしようもなく空虚で、救いのない気分に襲われる。思考することさえもしたくないような、できないような気分。苦しいとはまた違う。哀しさと虚しさとが混ざり合った何か。 

何故こんなことをしているのかといつも自問自答する。自問自答。答えはもう見えている。答えは今も見つからない。僕にも分からない。僕には何もわからない。

あぁ、話が変わるけど、僕のベランダにはマリーゴールドの花が咲いている。橙色と黄色の花。僕の祖母が植えたものだ。今咲いているだなんて、季節外れなのかな?けれどとても美しいよ。

混乱してもう何も考えてたくないときに、この花たちを眺めるんだ。ボーッと、ただそれらを目に映す。そうすると、自然と心が落ち着いてくる。

君を突き放した日も、僕は長い時間そうしていた。2、3時間ベランダの椅子に腰掛けていた、意識を遠く離れた何処かに飛ばしていたと言ってもいいだろう。

そう言えば、もうすぐ君の誕生日なんだ。花たちを摘んで、綺麗な花束にして、君に贈りたい。思わずうっとりすること間違いなしだよ。気高く清らかで、それでいて力強さを秘めたオレンジ。可憐だが官能を感じさせる黄色。最後の贈り物にぴったりだと僕は思うんだ。

自ら君を捨てたというのに、贈り物をしようとする僕。なんで惨い人間。言われなくても分かっている。そんな自分に絶望している。
それでも贈りたい。自分勝手だが贈りたい。もちろん僕の自己満足でしかない。

君。
好きだよ。愛しているよ。
けれどさようなら。

最後の贈り物。マリーゴールドの花束。
ふっふ。だって相応しいと思わないかい?
マリーゴールド花言葉、それは……
あぁ時間だ。僕はもう寝ないと。
戯言をごめんね…読んでくれてありがとう。


それでは。